まだそれほど歴史が長いわけではないビットコインですが、その間にいろいろな事件が起こったり、問題が出てきたりで、かなり濃い歴史を持っています。
その中には、技術的なものや政治的なものがあったり、各国の情勢やアルトコインの影響を受けたりと、関連するジャンルはかなり広いです。
この歴史を追うだけで面白いですし、今後でてくるニュースを理解するためにも、知っておいた方が良いものが多いと思い、ビットコインの歴史を年表にまとめてみました。
自分の興味がある範囲をベースに調べて書いたので、内容的にスカスカだったり偏りがあると思いますが、このあともちょっとずつ調べて更新していきたいと思います。
- 2008
- 2009
- 2010
- 2011
- 2012
- 2013
- 2014
- 2015
- 2016
- 2017
- 01/10 Julian Assange、ビットコインハッシュで生存を証明
- 02/09 中国の取引所がBTC引出しを停止
- 3月-7月 コア開発者とマイナー陣の対立に関するニュース、スキャンダルなど
- 07/12 Buy Bitcoin
- 07/24 サンタルヌーICO実施
- 07/26 Mt.GOX事件の主要人物が逮捕される
- 08/01 BitcoinCashが誕生
- 09/15 中国取引所の閉鎖が発表される
- 09/16 人気サイトがCoinhive使用していることが判明
- 09/19 Mark KarpelesがYouTubeチャンネル開設を発表
- 09/23 BTC/LTC間でatomic swap 成功
- 11/09 Segwit2x取り下げ
- 12/03 ベネズエラが暗号通貨発行を宣言
- 12/07 ナイスハッシュがGOX
- 2018
- 今後
2008
10/31 ビットコインに関する論文が発表される
ビットコインに関する論文「Bitcoin:A Peer-to-Peer Electronic Cash System 」がSatoshi Nakamotoにより発表されました。
ビットコインという名前はこの論文からきているそうです。
また、この論文より前に暗号通貨は存在していましたが、Decentralizedな暗号通貨を実現したのが、すごいところのようです。
2009
01/03 ビットコイン誕生
genesis block(ブロックチェーンの最初のブロック)が誕生しました。マイニングしたのはSatoshi Nakamotoです。
01/11 初めてSatoshi以外の人がマイニング
01/12 初のビットコイン送金
Satoshi Nakamotoからソフトウェア開発者のHal Finneyへビットコインが送金されました。
この送金の後、Hal FinneyとSatoshi は一緒にビットコインのテスト、デバッグを行なったそうです。
10/05 初のビットコイン価格の提示
New Liberty Standard により、ビットコインと法定通貨の交換レートが初めて提示されました。レート(1ドル1,309.03BTC)はビットコインの採掘に必要な電気料金から算出されました。
New Liberty Standardという組織があるのかと思っていましたが、個人のビットコインフォーラム上でのハンドルネームのようです。
10/12 ビットコインと法定通貨の初の交換
New Library Standard が5,050BTCを5.02ドルで購入し、初めてビットコインと法定通貨の交換がされました。
12/30 difficulty が初めて調整される
difficulty が1から1.18に調整されました。
difficulty とはブロックをマイニングする難易度で、マイニングの間隔がおよそ10分になるように調整されます。
2010
02/06 最初のビットコイン取引所がローンチ
最初の取引所であるBitcoin Market がローンチしました。
05/22 初めてビットコインを使ってモノの売買がされた
ピザ2枚(約25ドル)と10,000BTCが交換されました。
正確にはピザ屋がビットコインで支払いを受け取ったのではなく、誰かが法定通貨で払った宅配ピザが届けられ、ピザを受け取った人がピザ代金を払った人にビットコインを送金したようです。
自分はずっと、暗号好きのピザ屋のにいちゃんが面白がってビットコインで支払いを受け取ったのかと思っていたので、ちょっとがっかりしました。
この日はBitcoin Pizza Dayと呼ばれていて、世界中のピザ屋さんがビットコイナーに対して割引をするそうです。日本にも割引しているお店はあるんでしょうか?
08/15 ビットコインのバグにより1,840億BTCが偽造される
ブロック74638内に、184,467,440,737,09551616BTCを新しく作成したトランザクションが発見されました。
トランザクションの出力チェックの際にオーバーフローする場合が考慮されていないバグがあり、そこをついてビットコインが偽造されたそうです。
このビットコインの偽造が発見されてから5時間以内に新しいバージョンのクライアントが公開されました。
これによりブロックチェーンが分岐しますが、次の日に新バージョンでマイニングされたブロックチェーンが問題のトランザクションを含むブロックチェーンを追い越し、全てのノードがこれを受け入れました。
2011
01/02 Tonal Bitcoinユニットの標準化
Tonal number system という単位(?)を採用したTonal Bitcoin (TBC)というのがあるそうです。ビットコインと同じブロックチェーンを使用していますが、アルトコインとみなされていて、このTonal Bitcoin が最初のアルトコインだそうです。
01/28 総発行量の25%が採掘される
ブロック高が105,000になり、これにより総発行量の25%が採掘されたことになります。
03/06 ビットコインネットワークのハッシュレートが短期間で2倍に
ビットコインネットワークのハッシュレートの合計が900Ghash/sec近くまであがり、その後すぐに500Ghash/secまで落ちました。
この原因の正体はミステリーマイナーと呼ばれ、ネットワークに参加したスーパーコンピュータやボットネットと推測されています。
03/21 初めてビットコインのみ使っての旅行
アメリカのhartfordという場所からLAまで、PLATOという人物が現金やクレジットカードは使わずにビットコインのみで旅行をしました。
移動は車で、宿はcouch surfing やキャンプを活用したようです。
コミュニティ内で他のビットコイナーにビットコインの援助や途中ガソリンをビットコインで売ってくれるよう呼びかけたりしていました。
03/25 Difficulty が10%近く低下
これ以前にdifficultyの低下は1度だけで、10%近くの低下は最大だそうです。
05/09 最初のフィジカルコイン
05/17 初めてストリッパーがビットコインでチップをもらう
ビットコインのみで旅行中のPLATOさんがルイジアナ州のバトンルージュかニューオリンズあたりでストリッパーにビットコインでチップをあげたようです。調べてみたのですが、どうやってあげたのか詳細はわかりませんでした。
この年は、このほかにも飛行機や不動産などがビットコインで売買されています。
06/19 Mt.GOXがハッキングされる
08/25 P2P decentralized マイニングプールでの最初のブロックが採掘される
08/30 初めてDifficulty が連続して低下
2012
03/01 それまでで最大額のビットコインの盗難が発生
Linode社のウェブサーバー上から50,000BTCが盗まれました。
04/01 Pay-to-script-hash (P2SH) が有効になる
BIPはBitcoin Improvement Proposalといって、ビットコインを改善するための提案です。
そのなかのBIP0016で提案されたPay-to-script-hash (P2SH)という機能が有効になりました。これにより、マルチシグネチャ(複数の秘密鍵によりビットコインを送金することができる)のような少し複雑な使い方が可能になったようです。
05/08 SatoshiDiceのトランザクションがビットコインネットワークの半分以上を占める
11/28 初めての半減期
マイニング報酬が50BTCから25BTCに変更されました。
2013
02/19 Bitcoin Client v0.8がリリース
ダウンロード速度の改善とBloom Filteringを特徴としたBitcoin Client v0.8がリリースされました。
03/12 バグによりハードフォーク発生
バージョン0.8.0を使ってマイニングされたブロックが以前のバージョンを使うマイナーと互換性がなくハードフォークが発生。バージョン0.7に戻すように呼びかけられました。
2014
06/13 マイニングプールGhash.ioのハッシュレートが51%に
以前からコミュニティ内でGHash.ioのハッシュパワーが51%を超える可能性が指摘されていましたが、その懸念が実現してしまいました。
掲示板サイトRedditでは、マイナーに対してGHashから他のマイニングプールに移るように呼びかけられました。
根本的な解決は困難で、GHash.ioはハッシュレートが39.99%を超えないように自粛することを発表し、GHash.io主催の会議で、他のマイニングプールもこの動きに続くよう呼びかけ、これが受け入れられました。
10/06 大量のBTCが売りに出される
取引所のBitstampに30,000BTCが売りに出されました。価格は300USD/BTCで総額9,000,000USDと前例のない注文量だったため、ビットコインコミュニティからBearWhaleと呼ばれました。24時間以にその注文は全て買われました。
2015
06/03 BitLisenceがリリースされる
BitLisenceはデジタル通貨を対象とした初の規制です。ニューヨークの顧客にサービスを提供する企業はこの規制の要件を満たして、BitLisenceを取得しなければならなくなりました。
これにより、取引所などの多くの企業がニューヨークの顧客へのサービス提供を取りやめました。
08/15 BitcoinXTがリリースされる
11/03 ビットコインのマーク(₿)がUnicodeに受け入れられる
Unicodeに受け入れるまでは、形が似ているタイバーツのマーク(฿)が使われていました。今でも(2017/01)対応しているのはMacだけのようで、自分も入力出来ません。上マークは、誰かがタイプしたやつをコピーしてきました(笑)
とりあえず、ここからマークをコピーして、キーボードのショートカットに「びっとこいん」とか「びーてぃーしー」とかで登録すれば使えるようになります(笑)
(Windows だと文字化けしますね…)
ISO4217通貨コードではビットコインはBTCではなくXBTとされています。
BTで始まる通貨コードはブータンの通貨コードですが、実際にはブータンはBTCを使っていないので、ビットコインコミュニティではBTCが使われているそうです。
2016
01/15 Mike Hearnがコア開発から離脱
02/10 ビットコインのフォークであるBitcoin classic がリリース
05/02 Craig wrightが自分がsatoshi Nakamoto であると主張
07/10 2度目の半減期
マイニング報酬が25BTCから12.5BTCに変更されました。
次の半減期は2020/06ごろです。
08/02 Bitfinex(香港)がハッキング被害
約119,756BTC(同社の保有資産36.067%)がBitfinexから盗まれました。
この被害を全てのユーザーで負担することになり、アカウントに36.067%の損失が適用されました。
Bitfinexは独自のBTFトークンを発行して、ユーザーに配布し、USDや株式と交換する形でユーザー補償を行いました。
その後、2017/04/03にbitfinexはユーザーへの返済を100%完了したと発表しました。
2017
01/10 Julian Assange、ビットコインハッシュで生存を証明
WikiLeaksの創設者Julian Assangeがライブストリーミングの中でビットコインブロックチェーンの最新ハッシュを読み上げることで、自身の死亡説を否定し、そのハッシュ値がブロックチェーン上に刻まれた時点で生きていたことを証明しました。彼はこれをProof of lifeと呼んでいます。
ビットコインブロックチェーンのハッシュ値は前のブロックのハッシュ値を入力に含めて計算するため、まだマイニングされていないブロックのハッシュ値を事前に予測することは出来ません。
これを利用して、そのハッシュ値が対応するブロック以降にその動画が撮られたということを証明しています。
02/09 中国の取引所がBTC引出しを停止
中国人民銀行からのマネーロンダリング対策の要請により中国の3大ビットコイン取引所がビットコインの引き出しを停止しました。
この後、中国国内でのlocalbitcounsの出来高が5倍ほどに急増しました。
3月-7月 コア開発者とマイナー陣の対立に関するニュース、スキャンダルなど
3月から7月にかけてはSegWit やビッグブロックをめぐるコア開発者とマイナー陣の対立に関するニュースが乱発でした
これについてはスケーラビリティ問題の歴史まとめの方にまとめました
07/12 Buy Bitcoin
連邦準備制度理事会にて、議長であるJanet Yellenの後ろにすわる男が彼女を映すカメラにむけて「Buy Bitcoin」と書かれたボードを見せて話題になりました。
このあとこのBitcoin Sign Guyがビットコインアドレスを公開すると、およそ7BTCの寄付が集まりました。
07/24 サンタルヌーICO実施
名古屋のベルギービール専門店サンタルヌーがおそらく世界で初めて飲食店としてICOを実施しました。
日本の暗号通貨の聖地とされているサンタルヌーは、東京に移転するための資金調達を目的としてICOを実施し、交流の場を求める暗号通貨好きから資金を集めました。
06/22 にホワイトペーパー(ドラフト版)を公表し、07/10にICOを開始、この日ICOの期限を迎えて376ETHを調達、12/17に赤坂にオープンしました。
ネーミングライツ込みで500万円出資を申し出る個人もいました。
07/26 Mt.GOX事件の主要人物が逮捕される
Mt.GOXから盗まれたBitcoinをBTC-eという取引所でロンダリングしていた容疑でAlexander Vinnikがギリシャで逮捕されました。
08/01 BitcoinCashが誕生
ViaBTCが07/17に発表したBitcoinCashのハードフォークが実行されました。ハードフォーク時点のBitcoin 保有者はBitcoinCashを持つことになり、多くの取引所でBCCもしくはBCHの表記で取り扱いが始まりました。
BitcoinCash に新しく追加されたDifficulty 調整機能によりBitcoin とBitcoinCash の間でハッシュパワーの移動が頻発し、マイニング間隔が変動したり、適切な手数料算出が難しくなったりするなどの影響がありました。
関連ページ スケーラビリティ問題の歴史まとめ
09/15 中国取引所の閉鎖が発表される
中国人民銀行が中国国内の取引所に対して取引停止を求め、大手取引所が10月末までに取引停止することを発表しました。
中国人民銀行は9月に入ってから、ICOを禁止するなど規制を強めていました。
09/16 人気サイトがCoinhive使用していることが判明
人気トレントサイトのThe pirate bayがCoinhiveを使って、サイト閲覧者のCPUパワーを使いMoneroという暗号通貨の採掘を行っていることがわかりました。
サイト運営者は広告収入の代わりとしてCoinhiveが使えるかをテストしていたとコメントしています。
09/19 Mark KarpelesがYouTubeチャンネル開設を発表
Mt.GOXのCEOだったMark KarpelesがTwitter 上でYouTubeチャンネルを開設するつもりであることを明かしました。主に日本語で、暗号通貨やアキバ(アニメ、漫画、アイドルなど)についての動画を作成するようです。
09/23 BTC/LTC間でatomic swap 成功
atomic swapで0.1337BTCと10LTCの交換が行われました。
11/09 Segwit2x取り下げ
11/16ごろに予定されていたSegwit2xハードフォーク(ニューヨーク合意)について、BitGoのCEOであるMike Belsheが充分なコンセンサスが構築できなかったことを理由に、計画を中断すると発表しました。
12/03 ベネズエラが暗号通貨発行を宣言
ベネズエラのマドゥロ大統領が暗号通貨「ペトロ」を発行することを宣言しました。
ベネズエラが保有する石油を裏付けとして発行し、アメリカの経済制裁を回避する目的とされています。
これに対してアメリカは大統領令を発令し、ベネズエラが発行したデジタル通貨の取引を禁止しました。
12/07 ナイスハッシュがGOX
ハッシュパワーを取引するサービスを提供しているナイスハッシュがハックされ、65億円相当のビットコインが盗まれました。事件直後にサービスを停止し、12/22に再開しました。
2018
01/13 発行量の80%が採掘
この日までにビットコインの総発行量の80%にあたる1680万BTCが採掘されました。
01/18 ライトニングネットワークのオンラインストアがオープン
Blockstream社がライトニングネットワークのデモ用オンラインストアをオープンしました。
この段階ではまたテスト段階であり、ユーザは自己責任でライトニングネットワークのソフトを利用していました。
01/26 コインチェックがGOX
コインチェックのホットウォレットから5.23億XEM(約580億円)が盗まれました。
ホワイトハッカーによる盗難XEMの追跡などが行われましたが、犯人自らが開設したと思われる取引所で盗難XEMの取引が行われました。
コインチェックはXEMを保有していたアカウントに日本円で全額保証を行いました。
01/31 ビットコインでサッカー選手の移籍金が支払われる
トルコのアマチュアサッカーチームが選手の移籍金の一部をビットコインで支払ったと発表しました。
02/09 ロシアの核施設でマイニングを試み逮捕
ロシアの核施設のスーパーコンピュータを使ってマイニングしようとした従業員が逮捕されました。
02/25 ライトニングでピザ購入
世界で初めてビットコインでモノ(ピザ)を購入した男性が、ライトニングネットワークを使ってピザを購入しました。
前回は10,000 BTC でピザ2枚が購入されましたが、今回は0.00649BTC で取引されました。
03/07 Mt.GOX の破産管財人がビットコイン売却
Mt.GOX の破産管財人がおよそ456億円のビットコインとビットコインキャッシュを5回に分けて売却しました。
これは3/7に東京地方裁判所へ提出された報告書で明らかになりました。
この報告書によると、2017年12月から2018年2月の間にビットコインの売却が行われました。この売却は債権者への返済に充てられます。
残り16万6344ビットコインと16万8177ビットコインキャッシュの売却方法については裁判所と協議されるとのことです。
03/11 inanceがハッカーに懸賞金をかける
取引所のBinanceが03発生し、失敗に終わった自社へのハッキングの犯人につながる情報提供者へ250,000 USD の懸賞金を支払うと発表しました。さらに、将来の懸賞金のために10,000,000 USD を割り当てたとしています。
03/16 ライトニングネットワークがリリースされる
ライトニングネットワークの実装、lndがリリースされました。これは開発者やテクニカルユーザ向けのリリースです
このリリース前にすでにテスト版の実装で1,000以上のノードが使用されていました。
04/27 南北会談の板門店宣言がイーサリウムブロックチェーンに記録される
韓国のプログラマーによって、04/27 に発表された板門店宣言が韓国語と英語でイーサリウムに記録されました。
今後
いろいろ調べてみた結果、バグでハードフォークが起きたり、1,800億BTC(ビットコイン総発行量の8,000倍以上)もねつ造されたり、過去にはけっこうやばいことが起こってたことがわかりましたし、また同じようなことが起こる可能性はありそうな気がしてきました(笑)
今後も更新していきたいと思います。
ビットコインの歴史についてはこちらの本がおススメです
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